フルリノベーションを決意してから、打ち合わせを重ね、図面とイメージを固めてきた我が家。

そしてついに、工事が着工しました。
工事が始まる前に忘れてはいけないのが、電気と水道の確保。
これを止めたまま進めてしまうと、解体時や大工さんの作業で大きな支障が出てしまいます。
現場で作業する職人さんがスムーズに動けるように、この準備はとても大切。
いよいよ、生活の痕跡がすべて取り払われ、空っぽのスケルトン空間が姿を現しました。
解体からスケルトンへ

壁や天井の下地、床材がすべて撤去され、見えてきたのはコンクリートの素地と配管だけ。
普段は絶対に目にしない「住まいの骨格」を目の当たりにすると、家というのはこうして形作られているのかと改めて実感。
天井にはコンクリートの型枠跡がしっかり残り、床には剥がされた跡や配管の通り道がむき出しに。
壁面には古いパテの補修跡がまだ生々しく残っており、「ここから新しい空間をゼロから組み立てていくんだ」というワクワク感が一層強まります。
この瞬間は、どんなリノベーションでも一度しか味わえない貴重なフェーズ。
同時に「本当にここから快適な家が完成するのか?」という不安もわずかによぎりますが、それ以上に未来の姿を思い描く楽しみが勝っています。
図面とイメージが現実へ

打ち合わせで何度も描いてきた間取り図やパース。
机上で考えてきたことが、いよいよ実際の空間の中でリアルに重なっていきます。
図面では線と数字でしかなかったリビングやキッチンの位置が、スケルトンの中に自分の足で立つことで「ここにキッチンが立つんだ」「ここにソファを置いたら光が入る」といった実感に変わります。
これまでにサンプルで決めた床材、壁の色、タイルの質感。
机上ではイメージが先行していたものが、この無機質なコンクリート空間の中に差し込まれる瞬間を考えると、仕上がりが待ち遠しくなります。
サンプル選びと素材の質感

工事と並行して進めていたのが、素材選び。
今回は床材に無垢調のフローリングをベースに、キッチンカウンターなどにもアクセントを加える計画。
窓辺に並べたサンプルを見比べると、同じ木目調でも赤みの強いもの、落ち着いたオーク系、少しクセのあるウッド調など、印象が大きく変わります。
また、壁に取り入れる予定のアクセントカラーも、自然光に当てると全然違う表情を見せるので、現場で確認する時間は本当に大切です。
リノベーションは「素材を選ぶ楽しみ」でもあり「迷う苦しみ」でもありました。
ただ、こうして実際の空間と照らし合わせることで、暮らしの中でどう映えるかを想像できるのは贅沢な時間。
大工さんが入る前の段取り

フルスケルトンの状態まで解体が終わると、次に登場するのが大工さん。
床に図面をチョークで描きながら、間取りの位置関係を現場に落とし込んでいきます。
「このラインが壁になります」「ここがドアの位置です」そんなやり取りを現場で見ながら、平面図が立体の生活空間に変わっていく過程を目撃できるのは感慨深いもの。
この段階で家具のレイアウトやコンセントの位置など、現場を歩きながら再確認する場面が出てくると思います。
図面上では気づけなかったことが、スケルトン空間の中で具体的に見えてくるのは楽しみです。
工事現場に立って思うこと

スケルトンになった空間に立つと、過去の暮らしの面影は一切なくなり、ただ「これからの未来」だけが広がっています。
家族の笑い声や生活の風景を思い描きながら、完成後の姿に想いを馳せる時間。
同時に、この空間が職人さんたちの手で少しずつ仕上がっていくことを考えると、人の力で住まいが作られる尊さも感じます。
図面に書かれた線が現場で骨組みとなり、素材が一枚ずつ貼られていき、やがて暮らしの器となっていく、そのダイナミックな流れに立ち会えるのは最高の体験です。
まとめ:ゼロからの再構築が始まった

こうして我が家のフルリノベーションは、いよいよ「ゼロからの再構築」フェーズに突入しました。
ただ壊すだけではなく、これから先の暮らしをどうデザインするか、その答えを形にしていく作業が始まります。
フルスケルトンという真っさらな状態は、言うなれば「白紙のキャンバス」。
ここからどんな空間を描くかは、設計士、そして職人さんたちの共同作業にかかっています。
完成までの道のりは、もう少し先ですが、すでに心は未来のリビングに座り、コーヒーを飲みながら窓の外を眺めている自分を想像してしまいます。
その日を楽しみに、次回は「床に間取りが描かれる瞬間」や「実際の大工仕事の始まり」について、さらに詳しくお伝えできたらなと思います。