僕にとって映画 STAND BY ME(スタンド・バイ・ミー) は、ただの青春映画ではありません。
「ファッションの教科書」であり、僕の人生を変えた作品です。
中学時代、従兄弟に教えてもらった一本の映画
初めて観たのは中学生の頃。4歳年上の従兄弟にすすめられて、何気なく観たのが始まりでした。
スクリーンに映る少年たちの姿に、物語の内容以上に 服装 が強烈に心に残ったんです。
特に心を奪われたのが、リバーフェニックス演じるクリス。
白いTシャツに色褪せたジーンズ、そして黒いハイカットのコンバース。シンプルなのに、圧倒的にカッコいい。
「こんな服を着てみたい」
その瞬間から、僕の古着人生は始まりました。
アメリカ映画スタンド・バイ・ミーとは?

1986年に公開された映画 STAND BY ME(スタンド・バイ・ミー) は、スティーヴン・キングの短編小説「The Body」を原作にした青春映画です。舞台は1950年代のアメリカ。
小さな田舎町で暮らす4人の少年たちが「行方不明の少年の死体を探しに行こう」という冒険に出発する。
ただそれだけのシンプルな物語。
けれど、この映画が世界中で愛され続けている理由は、単なる冒険映画ではないからです。
友情、別れ、成長、そして大人になる過程で失っていく純粋さ。
観る人それぞれが自分の少年時代や青春を重ね合わせてしまう。
だからこそ何十年経っても色褪せない。
まさに「永遠の青春映画」「不朽の名作」と呼ばれるに相応しい作品です。
初めての古着との出会い

小遣いを必死に貯めて、レギュラーのLevi’s 501を買いに行ったことを今でも鮮明に覚えています。
さらにまた小遣いを貯めて古着屋へ。

そこで手に入れたのが、黒のコンバース・オールスターのハイカット。
当時はまだアメリカ製でも1万円以下で手に入る時代。
今思えば夢のような価格でした。
そして、ライトオンで無地の白Tシャツを買って、クリスの真似をして歩き回った。
あの頃の僕にとって、これ以上の「ファッションアイコン」は存在しなかったんです。
僕の宝物、青春の一本

※クリス(リバーフェニックス)に憧れて中学時代に買ったLevis501
この写真のジーンズは、まさにその中学時代に手に入れた一本。
ほぼリジット状態から育て上げた501で、色落ちもアタリも、すべて僕の青春の記録そのもの。
両膝が破れリペアして、尻ポケットの破れも含めて、これ以上ないくらいのヴィンテージになってくれました。
僕にとっては今でも宝物。
映画の登場人物のファッション解説
クリス(リバーフェニックス
写真中右の人物。
白Tシャツ × Levi’s 501 × 黒のハイカットコンバース。
永遠の定番スタイル。
彼が着ると“制服”のように見えず、ただただ自然体で格好いい。
色褪せたデニムに生命を吹き込んでいたのは、まさにクリス自身の存在感。
ゴードン(ウィル・ウィートン)
写真一番右の人物。
赤のボーダーTシャツ × ジーンズ
物語の語り部でもあるゴードンのスタイルは素朴で清潔感がある。
少年らしい可愛らしさが際立ち、Theアメリカンヴィンテージ古着なボーダーTは大人が取り入れてもオシャレ。
バーン(ジェリー・オコンネル)
写真一番左の人物。
襟付きボーダーポロシャツ× ゆったりチノパンツ
少しドジで憎めないキャラ。
彼の服装はどこか「お母さんが選んだ服」っぽい雰囲気だけど、それが逆に今のアメリカンレトロファッションとして魅力的に映る。
テディ(コリー・フェルドマン)
写真中左の人物。
ミリタリー風カーキTシャツシャツ × ブラックデニム
戦争ごっこが好きな彼の服装には軍モノの影響を感じさせる。
ミリタリーテイストが少年の無骨さを表現していて、現代の古着コーデにも繋がるエッセンス。
エース(キーファー・サザーランド)
写真右がエース。黒Tシャツ × ブラックデニム 。
不良グループのリーダー。
クリスの対極にいる存在だけど、ファッション的にはやっぱりカッコいい。
アメカジ不良スタイルの王道で、80年代の映画にしか出せないオーラをまとっていた。
リチャード(クリスの兄)
写真左の人物。
ジーンズ × 白Tシャツ × デニムベスト
悪役気質の兄だけど、そのスタイルは今見ても直球で心を撃ち抜かれる。
デニムオンデニムに白Tというシンプルな合わせは、アメリカ古着の象徴とも言える。
そして、4人ともTシャツの裾を出さずにインしている部分もカッコいい。当時のアメリカ人の定番スタイル。
クズ鉄置き場のマイロの服装の魅力

クリス達がクズ鉄置き場に忍び込むシーンに登場するのが、鉄置き場の管理人で番犬チョッパーの飼い主マイロ。
彼の服装は、白のヘンリーネックシャツにデニムのオーバーオールという、まさに「アメリカン・ワークスタイル」の王道です。
ヘンリーネックは、クルーネックTシャツよりも少し無骨な印象を与えてくれるアイテム。
マイロの着ていたのは白の長袖タイプで、汗や汚れをそのまま受け止める作業着としてのリアルさが漂っていました。
シンプルなのに、なぜか風格がある。
アメカジ好きなら誰もが憧れる定番アイテムです。
そこに合わせているのが、色褪せたデニムのオーバーオール。
今では、ファッションとして着ているオーバーオールですが、映画の中では「労働者の象徴」としてリアルに映っています。
無駄がなく、実用性だけを追求した服なのに、今の目線で見ても驚くほどオシャレで、
90年代以降の古着ブームを先取りしたようなスタイル。
当時の僕は、少年たちの服装ばかりに目を奪われていましたが、大人になって改めて観返すと、マイロのスタイルがめちゃくちゃカッコいいことに気づきます。
白ヘンリー×デニムオーバーオールは、90年代の古着ブーム以降「アメカジの鉄板スタイル」として定着した組み合わせ。
まさにマイロはその先取りをしていた存在です。不良でもヒーローでもないリアルなアメリカの労働者像。
クリスやエースのような不良のカッコよさとは違い、マイロはあくまで等身大の労働者。
でも、そのリアルさが逆にかっこいい。
作業着としてのオーバーオールに、無骨なヘンリーネック。
まさに「アメリカン・リアル・ワークスタイル」のお手本です。
何十年経っても色褪せないスタイル

この映画を観ると、服の流行なんて本当に関係ないと思わされます。
白Tシャツにジーンズ、そして黒のスニーカー。
たったこれだけで、時代を超えてカッコよくなれる。
僕はこれまでに何十回も スタンド・バイ・ミー を観返してきました。
ストーリーを楽しむというよりも、登場人物それぞれの服装に釘付けになる。
そしてその度に「やっぱりアメリカ古着って最高だ」と思わされる。
僕にとってのファッションバイブル
この映画に出会っていなければ、今こうして古着に夢中になることも、ブログで古着について語ることもなかったでしょう。
スタンド・バイ・ミー は、僕にとって 永遠のファッション教科書。
これから何十年、何百年経っても、この映画に描かれたスタイルは色褪せることがないと思います。