映画『シークレット・ウインドウ』のジョニー・デップから学ぶグランジファッション

映画『シークレット・ウインドウ』を観てまず目を奪われたのは、物語のサスペンスよりもジョニー・デップのファッション。

どこかカート・コバーンを思わせるグランジの空気をまとっていて、かっこよさがにじみ出ている。

古着のような、くたびれ感が、今の時代だからこそ逆にリアルに響く気がする。

『シークレット・ウインドウ』ジョニー・デップのカッコ良さ

作品の中で、古着のような、いろんなグランジスタイルを見せてくれます。

アーガイルカーディガンとヘンリーネック

劇中の象徴的なスタイルといえば、ベージュとブラウンのアーガイル柄カーディガン。

そこに合わせているのはチャコールグレーのヘンリーネックシャツ。

首元のボタンを外して、だらっと着ている感じがいい。

まるでカート・コバーンのライブ写真を思わせる抜け感が漂っています。

このコンビが作り出すのは「清潔じゃないけど、不潔でもない」という絶妙なバランス。

そこが一番グランジっぽい。

ブラウンジャケットの野暮ったさ

もうひとつ見逃せないのがブラウンのジャケット。

ワークっぽさと野暮ったさが同居したようなアイテムで、少し大きめサイズで羽織っている。

この「ちょっとダサいけど味がある」服をあえて選ぶあたりがリアルで、主人公の孤独感や人間臭さをファッションで表現している気がします。

グランジは“かっこつけないことがかっこいい”という逆説的な美学。

その象徴がこのジャケットだと思います。

ロングガウンという倒錯

そして極めつけはストライプ柄のボロボロのロングガウン。

これマジでカッコいい。

日本人じゃ中々似合う人いないでしょ。日本人がやったら、ただのホームレススタイル。

このスタイルはまさに、ジョニーデップだから、カッコよく見えるし、劇中では妙にハマっている。

グランジの本質は「ルールや常識から自由になること」だと思う。

カート・コバーンがステージで穴だらけのカーディガンを着ていたように、ジョニー・デップはガウンをファッションに昇華して見せている。

モスコット・レムトッシュと無造作ミディアムヘアが生む知性と退廃感

彼の古着のようなスタイルに、効いてくるのが、アイコン的存在とも言える モスコットのレムトッシュ。

トートイズ柄の丸みを帯びたフレームが、インテリジェンスをさりげなくプラスし、単なるラフさをファッションへと昇華させています。

そして髪型も重要な要素。

伸びかけのブロンドを無造作に流したミディアムヘアは、まるで寝癖をそのまま残したかのようなラフさ。

カッコつけてないのに、カッコいい。

それがグランジ特有の退廃感をさらに引き立て、ジョニー・デップの存在感を一層際立たせています。

モスコットとは?

モスコット(MOSCOT)は、1915年にアメリカ・ニューヨークで誕生した老舗アイウェアブランドです。

創業者はハイマン・モスコット氏。

ニューヨークのカルチャーと共に歩んだブランドで世界中で愛されるメガネですね。

音楽、映画、アートの分野で多くのアーティストに支持され、ジャズマンから俳優、さらには現代のファッションアイコンまで、幅広い人々に愛用されています。

特にヴィンテージテイストを感じさせるフレームデザインは、クラシックでありながら時代を超えて通用するスタイルです。

代表モデル「LEMTOSH(レムトッシュ)」

モスコットの代表作といえば、やはり「LEMTOSH(レムトッシュ)」。

丸みを帯びたフレームと独特の存在感は、知的でありながらどこか遊び心を感じさせます。

ジョニー・デップをはじめ、数々の著名人が愛用したことで、一躍ブランドの象徴的存在となりました。

  • 普遍的なデザイン:ヴィンテージ感とモダンさの絶妙なバランス
  • 確かな品質:100年以上の歴史に裏打ちされた職人技
  • 文化的背景:ニューヨークのライフスタイルと共鳴するアイデンティティ

こうした魅力によって、モスコットは、ただのメガネではなく、カルチャーを身につけるアイテムとして世界中で支持され続けています。

映画『シークレット・ウインドウ』の世界

映画自体はスティーヴン・キング原作の心理スリラー。

湖畔の小屋に引きこもった作家が、突然現れた男に「お前は盗作をした」と告発され、次第に現実と幻想の境界が壊れていく物語。

その不安定な精神状態を、ジョニー・デップの演技とファッションが見事に映し出しているんです。

グランジファッションスタイルだからこそ、主人公の孤独や狂気がよりリアルに迫ってくる。

綺麗めな服装をしていたら絶対に違ったはず。

まとめ

  • アーガイルカーディガン → グランジ的抜け感
  • チャコールグレーのヘンリーネック → 生活の匂い
  • ブラウンジャケット → 野暮ったさの中のかっこよさ
  • ロングガウン → 常識破りの自由さ
  • メガネと無造作ヘア → 退廃と知性の同居

このすべてが組み合わさって、ジョニー・デップは「グランジを再構築」

カート・コバーンが作った美学を受け継ぎながら、自分の役柄に落とし込んだファッション。

これを観て“かっこいい”と思った人は多いはず。

『シークレット・ウインドウ』は、ストーリーだけでなくグランジファッションのお手本としても楽しめる一本です。

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